税金の申告・納税(事業者が亡くなった場合のみの取扱)…その5

Q15 死亡した年分に課税される事業税

  飲食業を営んでいた父が平成27年10月16日に死亡しました。平成28年に父の平成27年分の事業税の納税通知書が来ましたので、父の事業を承継した私の事業所得の必要経費に算入してもよいでしょうか。父の準確定申告時には事業税の納税通知書は到着していませんでしたので準確定申告では必要経費に算入しておりません

 A  

 

 その年分の各種所得の金額の計算上必要経費に算入する租税は、原則として、その年中に納付額が具体的に確定したものに限られますので、事業税についても賦課の通知を受けた日の属する年分の必要経費に算入することになります。

 ご質問の場合は被相続人の事業を承継していますので、死亡したお父さんの平成26年分所得の事業税については、事業を承継したあなたの平成27年分の事業所得の必要経費になります。

 ただし、相続人が被相続人の事業を承継しなかった場合には、被相続人の事業をその死亡により廃止となりますので、被相続人の準確定申告について、その賦課の通知を受けた日の翌日から2カ月以内に更正の請求をすることができます。(2か月経過後でも、準確定申告の法定申告期限から5年以内であれば更正の請求をすることができます。)

 

  【参考】見積り計上も可  

  事業を廃止した年分の事業税については、次の算式により計算した事業税の課税見込額をその廃止した年分の必要経費とすることもできます。

    (A±B)R

      1+R

    
 A…事業税の課税見込額を控除する前の当該年分の当該事業にかかる所得金額

 B…事業税の課税標準の計算上Aの金額に加算し、または、減算する金額

 R…事業税率 

税金の申告・納税(事業者が亡くなった場合のみの取扱)…その4

Q14 死亡した人の負担した固定資産税の取扱い

 4月3日に死亡した父所有のアパートにかかる固定資産税は、納税通知書が到着したのは4月20日ですが、1月1日現在の所有者である父に対して課税されていますので、全額父の準確定申告において必要経費に算入しようと思いますがどうですか?

  A

お父さんの準確定申告では必要経費に算入することはできません。そのアパートを相続した相続人の確定申告において必要経費に算入することになります。 

 

 

 業務用資産に係る固定資産税は、その業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されますが、その必要経費に算入する時期は、原則として、納税通知などにより納付すべきことが具体的に確定したとき(年の中途において死亡した場合には、その死亡時までに確定したものに限られます)とされています。

  ただし、固定資産税は、納期が分割して定められていますので、各納期の税額をそれぞれ納期の開始した日または実際に納付した日の必要経費とすることもできます。

 ご質問の場合は、4月3日の相続開始時には納税通知がされておりませんので、お父さんの準確定申告における不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできません。そのアパートを相続した相続人の確定申告において、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することになります。 

 固定資産税の必要経費について表にまとめると次のようになります。 

 

固定資産税の通知 準確定申告 相続人の確定申告
死亡前

@〜B

より選択

@全額必要経費算入 左の選択により C必要経費に算入できない
A納期到来分を必要経費算入 DA以外の金額を必要経費算入
B実際納付分を必要経費算入 EB以外の金額を必要経費算入
死亡後 必要経費に算入できない

F〜H

より選択

F全額必要経費算入
G納期到来分を必要経費算入
H実際納付分を必要経費算入

【参考】相続税の取扱い(納税義務の判定) 

 相続税では賦課期日の定めのある地方税については、その賦課期日において納税義務が確定したものとして取り扱われ、債務控除することができます。固定資産税の賦課期日はその年の1月1日ですから、納期が未到来のものであっても、全額を債務として相続税の課税価格の計算上控除することができます。  

税金の申告・納税(事業者が亡くなった場合のみの取扱)…その3

Q13 従業員に支払う給与・賞与

  父は自動車販売業を営んでいましたが、平成23年11月20日に死亡し、事業は長男である私が承継し従業員も引き続き雇用しています。
 従業員の給与は20日締の25日払いですので、11月分は11月25日に支払いました。また、賞与は12月10日に支払っています。  この11月分給与と賞与はどのように扱えばよいですか

  A

 11月分給与については、あなたのお父さんの準確定申告で必要経費に、賞与については、事業を承継したあなたの事業所得の必要経費になります。  

 

 

 死亡した人の事業所得の金額は、その年の1月1日から死亡した日までの間の総収入金額から必要経費の金額を差し引いて計算します。

  この場合の必要経費の金額からは、債務の確定していないものは除かれます。債務の確定とは、原則として、

  @死亡時までにその費用に係る債務が成立していること、

  A死亡時までにその債務に基づいて具体的な給付をなすべき原因となる事実が発生していること。

  B死亡時までにその金額を合理的に算定できるものであること、の要件すべてを満たすことが必要です。

 

 

  1 給与   
 従業員給与については、1月1日からお父さんの死亡日の11月20日までの期間に対応する1月分から11月分給与をお父さんの準確定申告で必要経費に算入します。

  また、11月21日から12月31日までの期間に対応する従業員給与については、 あなたの本年分の事業所得の必要経費に算入します。  

 

 

  2  賞与  
 賞与は支給日現在在籍している人に支給されるものであり、お父さんの死亡時にその債務が確定しているわけではなく、上記債務の確定要件を満たしていませんので、お父さんの準確定申告で必要経費にすることはできません。

 したがって、事業を承継したあなたの事業所特の金額の計算上必要経費に算入することになります。

 【参考】相続税の取扱い(未払い給与) 

  ご質問の11月分給与は平成27年11月20日の相続開始時には未払いですので被相続人であるお父さんの債務として相続税の課税価額の計算上控除することができます。

税金の申告・納税(事業者がなくなった場合のみの取扱)…その2

Q12 死亡した人の不動産賃貸収入

  アパート経営をしていた父が平成28年3月18日に死亡しました。賃貸していたアパートは、A(10室)、B(8室)の2棟あります。父の準確定申告で、不動産所得の収入金額はどのように計算したらよいですか?

  A

 不動産所得の収入金額の計算方法は、次の2通りあります。  

 

 

≪例≫

 Aアパート ・全10室を甲社へ月100万円で一括賃貸       

      ・賃貸借契約書の家賃支払日        

       ⇒当月分を前月末日までに支払う  

      

      ・家賃入金状況

        平成28年1月分⇒平成27年12月28日入金             

             2月分⇒平成28年 1月31日入金             

             3月分⇒      2月28日入金             

             4月分⇒      3月10日入金  

 

 

Bアパート ・全8室を賃借人乙社へ月80万円で一括賃貸       

      ・賃貸借契約書の家賃支払日        

       ⇒当月分を当月15日に支払う   

     

      ・家賃入金状況        

       平成28年1月分⇒平成28年1月15日入金             

            2月分⇒     2月15日入金             

            3月分⇒(3月18日現在未入金)  

 

 

@原則(権利確定)

  Aアパートの収入金額      

     100万円×2(2月分、3月分)=200万円  

 Bアパートの収入金額      

     80万円×3(1月分、2月分、3月分)=240万円

                        合計 440万円                                                                    

A   例外(期間対応)

  Aアパート収入金額      

     100万円×3(1月分、2月分、3月分)=300万円

  Bアパート       

     80万円×3(1月分、2月分、3月分)=240万円                                                                  合計  540万円 

 

 

 不動産賃貸料の収入計上時期  

  @原則(権利確定)
 契約書により支払日が定められているものについては、その支払日に収入計上します。(支払日が定められていないものについては、その支払いを受けた日に収入計上します)。  

 ご質問の場合は、1月1日から3月18日(相続開始日)の間に支払日が到来するのは、Aアパートについては2月分と3月分、Bアパートについては1月分から3月分ですので、その支払いが到来して権利が確定したものについて収入に計上します。

 なお、Aアパートの4月分は3月10日にゅうきんされていますが、相続開始日までに支払日が到来していませんので、収入に計上する必要はありません。

 また、Bアパートの3月分は相続開始日現在で未収ですが、3月15日が支払日ですので、収入に計上します。

 A例外(期間対応)
 不動産賃貸料について次のいずれかに該当する場合には、その年中の貸付期間に対応す る賃貸料を収入に計上することができます。

  

 ・帳簿に継続的に記録し、その記帳に基づいて不動産所得の金額を計算していること

 ・継続してその年中の貸付期間に対応する収入金額を計上していること。 

 ・帳簿上その賃貸料に係る前受収益及び未収収益の経理を行っていること。

 ご質問の場合は、Aアパート、Bアパートそれぞれ1月分から3月分までを収入に計上します。 

  

参考】 相続税の取扱い「収入の地代や家賃など
 相続開始時において既に収入すべき期限が到来しているもので、まだ収入していない地代、家賃その他の賃貸料は、相続税の課税価格の計算上、相続財産に計上しなければなりません。ご質問の場合は、Bアパートの3月分、50万円を未収家賃として相続財産に計上することとなります。
 また、Aアパートの4月分、70万円は相続開始日前に入金され預貯金等に含まれて相続財産になりますが、支払日(収入計上時期)が到来していませんので、前受家賃として債務控除します。
 これら相続税における取扱いは、所得税の収入計上を権利確保で計上しても、期間対応で計上しても同じ取扱いとなります。

税金の申告・納税(事業者が亡くなった場合のみの取扱)…その1

Q11 死亡後の税金関係の各種届出書

  毎年青色申告により確定申告をしていた父が、平成27年12月5日に死亡しました。父は消費税の申告もしていましたが、父の死亡に伴い、所得税、消費税に関してどのような届出書を提出しなければならないでしょうか?  

A

 所得税、消費税それぞれについて、必要に応じて以下のような届出書を税務署に提出します。

 

 

  1 所得税関係の届出書   

   被相続人に関する届出書

 「個人事業の廃業届出書」  
   
死亡後1か月以内に、死亡した人の納税地を管轄する税務署長に提出します。
 
 

    相続人に関する届出書

 @  「個人事業の開業届出書」

  開業(被相続人の死亡)後1か月以内に、事業を承継した相続人の納税地を管轄する税 務署長に提出すます。

   

A「所得税の青色申告承認申請書

  青色申告者が死亡した場合その事業を承継した相続人は、自動的に青色申告者となるわ けではありません。事業を承継した相続人が青色申告をするためには、準確定申告書の提 出期限(死亡後4カ月以内)と青色申告の承認があったものとみなされる日とのいずれか 早い日までに、「青色申告の承認申請書」を提出しなければなりません。

  具体的には次のようになります。

 ご質問の場合は、平成27年12年月5日に亡くなられていますので、平成28年2月15日までに提出することになります。準確定申告書の提出期限は平成28年4月5日ですが、2月15日までに提出しないと平成27年度分は白色申告となってしまいますので注意が必要です。

 

  

 相続開始日 

 青色申告の承認申請書提出期限 

 1月1日〜 8月31日 

 死亡後4カ月以内(準確定申告書の提出期限)

 9月1日〜10月31日

 12月31日(自働承認日)

 11月1日〜12月31日

 翌年2月15日(自働承認日)

 

B「青色事業専従者給与に関する届出書」

  事業を承継した相続人が、被相続人の青色事業専従者に青色事業専従者給与を支払う場合や新たに専従者がいることとなった場合には、相続開始日または専従者がいることとなった日から2カ月以内に、「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出しなければなりません。

 

  C「その他の届出書」

  相続人が相続開始以前は事業を営んでいなかった場合で、相続により給与の支払いが生ずる場合には「給与支払事務所の開設届出書」を提出します。   この場合、給与の支払いを受ける人数が10人未満で、源泉所得税の納付を半年ごとにする場合は、源泉所得税の納期の特例の承認に関する届出書」を提出しなければなりません。  

 

 

  2 消費税関係の届出書 

 被相続人に関する届出書

 ・「個人事業者の死亡届」  
 課税事業者である個人事業者が死亡した場合に、その相続人が被相続人の納税地の所轄税務署長に速やかに提出します。

 

  相続人に関する届出書

 @「消費税課税事業者届出書・相続があったことにより課税事業者となる場合の付表」
 免税事業者である相続人が相続により課税事業者である被相続人の事業を承継した場合には、納  税義務は免除されないことになりますので、相続人の納税地の所轄税務署長に速やかに提出します。

 相続人の納税義務は、次の通りです。

 

  ○  相続のあった年

 被相続人の基準期間(相続のあった年の前々年)の課税売上高が1000万円を超える場合には、相続のあった日の翌日からその年の12月31日までの期間は、納税義があります

 

  ○  相続のあった年の翌年と翌々年

 相続人の基準期間の課税売上高と被相続人の基準期間の課税売上高との合計額が1000万円を超える場合には、その年(相続のあった年の翌年と翌々年)は納税義務があります。
 (注) 平成25年1月1日開始する年においては、相続人のその年の基準期間における課税売上高が1000万円いかであり、かつ特定期間(その年の前年1月1日から6月30日までの期間)における課税売上高等が1000万円以下である相続人。

 

 A「消費税簡易課税制度選択届出書」  

 前記@の届出書を提出する相続人が、その相続のあった年から簡易課税制度を適用しようとする場合には、その相続のあった年の12月31日までに提出します。 

 通常は簡易課税制度の適用を受けようとする年の前年の12月31日までに提出しなければなりませんが、相続により課税事業者となった相続人は、その相続のあった年の12月31日までにこの届出書を提出すれば、その相続のあった年から簡易課税制度を選択することができます。 

税金の申告・納税(事業者以外の所得税)…その8

Q10 死亡した人の所得税の予定納税

  6月10日に父の所得税の予定納税の通知書が届きましたが、父は6月15日に死亡しました。父の予定納税額は相続人である私が納付しなければなりませんか? 

A

 あなたは、お父さんの予定納税額を納付する必要なありません。 

 

 

 所得税の予定納税は、予定納税基準額15万円以上となる場合に限られます。予定納税基準額は、前年の所得から譲渡所得や一時所得、雑所得、退職所得等を除いたところで税額を計算して求めます。

 予定納税の期限は、第一期分が7月31日、第二期分が11月30日です。この予定納税による所得税の納税義務は、その年の6月30日(特別農業所得者の場合はその年の10月31日)を経過するときに成立します。

 ご質問の場合、お父さんは予定納税の納税義務成立前にお亡くなりになっていますので予定納税の納税義務はありません。予定納税の通知書を送付してきた税務署にお父さんが6月15日に死亡した旨連絡すれば、予定納税は取り消されます。

 また、予定納税の納税義務成立後に、予定納税額を納付すべき人が死亡した場合には、その相続人が納税義務を承継することになっています。 この場合、納付した予定納税額は被相続人の準確定申告において控除されます。 


参考】 予定納税とは
 所得税は、確定申告によって1年間の所得に対する税額を納付することを建前としていますが、国の歳入の平準化を図るとともに、分割納付をすることによる納税者の便宜などの点から、前年度の実績をもとに、当年分の税額の一部として、予納する予定納税制度が採用されています。

 

税金の申告・納税(事業者以外の所得税)…その7

Q9 死亡した年の住宅借入金等特別控除の適用

  父は平成27年に住宅を取得し、住宅借入金等特別控除の適用を受けていましたが、平成28年3月10日に亡くなりました。住宅借入金等特別控除は、平成28年分の準確定申告でも適用することができますか。 また、私は父と同居していましたので父の住宅とその借入金も相続し、引き続きその住宅に住んでいます。私も平成28年分の確定申告で住宅借入金等特別控除の適用を受けることができますか?  

A 

 お父さんの準確定申告についてのみ住宅借入金等特別控除を受けることがで きます。  

 

 

 1 死亡した人の住宅借入金等特別控除   

  平成28年分の準確定申告でも適用を受けることができます。

 住宅借入金等特別控除は、家屋の取得等をし、その取得の日から6か月以内に入居し、その後引き続きその年の12月31日までに居住の用に供している場合に、適用できます。

 死亡した年においては、12月31日まで居住していませんが、死亡した日まで居住の用に供していた場合には、順確定申告において控除を受けることができます。

 また、「住宅所得資金に係る借入金の年末残高等証明書」は、死亡日現在の住宅借入金等の残高について、金融機関等から交付を受け、準確定申告書に添付して提出します。 

  

 2 相続人の住宅借入金等特別控除 

 相続人は、控除を受けることができません。

 住宅借入金等特別控除の対象となる借入金は、家屋の取得等をするためのものに限られています。相続で承継した借入金は、家屋を取得するために借入れしたものではありませんので適用できません。    

税金の申告・納税(事業者以外の所得税)…その6

Q8  死亡した年の控除対象配偶者と扶養親族の判定

 私の母は、6月10日に死亡した父の準確定申告で控除対象配偶者になっていましたが、その後、私と同居しています。母には所得がないので、私の確定申告で扶養親族として扶養控除を受けてもいいですか? 

A

 その年12月31日の現況において、あなたの扶養親族に該当する場合には、扶養控除を受けることができます。 

 

 一人の所得者の控除対象配偶者または扶養親族に該当し、かつ、他の所得者の扶養親族にも該当するときは、どちらか一人の控除対象配偶者または扶養親族に該当するものとしますので二人の所得者から配偶者控除または扶養控除を受けることはできません。

 控除対象配偶者または扶養親族に該当するかどうかは、その年12月31日の現況によることになっています。ただし、年の途中で死亡した場合には、その死亡の時の現況により判定します。

 ご質問の場合には、それぞれの判定の時期が異なっていますので、お母さんは、お父さんが亡くなった時点ではお父さんの控除対象配偶者となり、12月31日の時点では、あなたの扶養親族となります。

 したがって、お母さんは、お父さんが亡くなった年については、お父さんの控除対象配偶者となり、かつ、子であるあなたの扶養親族にも該当することになります。 

税金の申告・納税(事業者以外の所得税)…その5

Q7 準確定申告における配偶者控除

 建築業を営んでいた夫が、6月10日に亡くなりました。私には所得はありませんが、9月1日に相続した土地を譲渡する契約をし、間もなく2500万円の譲渡代金が入ります。夫の準確定申告の際、配偶者控除を適用して申告してもいいですか? 

A

 配偶者控除の適用を受けることができます。

 

 

  配偶者控除とは、納税者の配偶者でその納税者と生計を一にする人(青色事業専従者に該当する人で給与の支払いを受けるものおよび事業専従者に該当する人は除きます。)のうち、合計所得金額が38万円以下である人を言います。

  
  年の途中で死亡した人に控除対象配偶者があるかどうかは、死亡時の現況によって判定します。そして、生計が一かどうか等は次のように判定します。  

 

 @  配偶者その他の親族が納税者と生計を一にしていたかどうか、および親族関係にあったかどうか
   については、納税者の死亡時(その年1月1日からその納税者の死亡時までに死亡した親族等につ
   いては、その親族等の死亡時)の現況により判定します。

 

   A  控除対象配偶者かどうかの判定の対象となる合計所得金額は、納税者の死亡時の現況で見積もったその年1月1日から12月31日までの間の見積額によります。ただし、見積もる際には、死亡
 した時点では、予期できなかった譲渡所得等は含めなくても差し支えありません。

 

   B  老人控除対象配偶者に該当するかどうかの年齢の判定は、その年12月31日の現況ではなく、納税者の死亡時の現況により判定します。  

 また、扶養親族についても、特定扶養親族、老人扶養親族の年齢の判定は、同じく納税者の死亡時の現況により判定します。


参考】 合計所得金額の見積もり
 配偶者のパート収入が、月80,000円、12月まで同額の収入があると見込まれる場合
         給与収入・・・・・・・・・ 960,000円(80,000×12)
         給与所得控除・・・△ 650,000円 
         差引:給与所得    310,000円 
 納税者の死亡時に見積もる配偶者の合計所得金額は、給与所得、不動産所得や事業所得などのように継続して生ずる所得の1年間の見積もり額によりますので、このケースの場合、合計所得金額は給与所得の31万円だけで判定すればよく、納税者の死亡後に臨時的に生じた譲渡所得を加算する必要ありませんので、この場合にも控除対象配偶者に該当します。 

  

税金の申告・納税(事業者以外の所得税)…その4

Q6 準確定申告における社会保険料等の所得控除

  亡くなった父が支払った社会保険料、小規模企業共済等掛金、生命保険料および地震保険料がありますが、準確定申告をする上での取扱いについて教えてください。

  A

 各控除については、次のとおりに取り扱われます。

 

 

  1 社会保険料控除  

  死亡した時までに本人または本人と生計を一にする配偶者その他の親族が負担することになっている社会保険料を支払った場合または納税者の給料などから差し引かれた場合には、その支払った金額または差し引かれた金額の全額が所得控除できます


   なお、国民年金保険料については、「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が必要となりますので、社会保険庁に請求することになります。

 

  2 小規模企業共済等掛金  

 死亡した時までに支払った小規模企業共済等掛金の全額が所得控除できます。控除を受けるためには掛金の払込証明書が必要になりますので、早めに独立行政法人中小企業基盤整備機構等に請求してください。

   

  3 生命保険料控除  

 死亡したときまでに、生命保険料控除の対象となる一般の生命保険契約や個人年金保険契約の保険料等を支払った場合には、一定の算式で計算した金額が所得控除できます。 

 
  生命保険料の控除額は、一般の生命保険料の控除額(最高4万円)と介護医療保契約(最高4万円円)と個人保険契約(最高4万円)の合計額となります。、3つの保険契約がある場合には、最高12万円控除することができます。


  控除をうけるためには、証明書が必要となりますので、保険会社等に請求することにします。

 

 

  4 地震保険料控除  

 死亡した時までに、地震保険料控除の対象となる損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料等を支払った場合には、その保険料等の金額(最高50,000円)が所得控除できます。

  
  また、平成18年12月31日までに締結した長期損害保険料にかかる保険料については従来の損害保険料控除を適用することも認められています(最高15,000円)。

  
  なお、両方がある場合であっても控除額は合計で最高50,000円までとなります。  控除を受けるためには、証明書が必要になりますので、保険会社等に請求するようにします。   

税金の申告・納税(事業者以外の所得税)…その3

Q5 死亡した年の医療費控除

 不動産貸付業をしていた父は3か月ほど入院していましたが、病院でなくなりました。入院費は、父のお金から支払っていました。また、亡くなった後支払った入院費も父のお金で支払いました。入院費は、父の準確定申告で医療費控除の対象としていいですか?

 A

死亡したときまでに支払った医療費は、お父さんの準確定申告で医療費控除 の対象となります。 

  

 医療費控除は、死亡した時までに実際に支払った金額に限られますので、亡くなった後に支払った医療費は、たとえお父さんの財産で支払ったとしても、医療費控除の対象とすることはできません。 死亡後に支払った医療費については、あなたが、お父さんと「生計を一にしていた」場合には、あなたの確定申告で医療費控除を受けることができます。 なお、死亡日までの病院の入院費には、死亡診断書代が含まれていることがありますが、死亡診断書代は医療費控除の対象となりませんので、死亡診断書代を除いて申告してください。

 

 

【参考】死亡後に支払った医療費の相続税の取扱い
  死亡後に支払った医療費は、相続税の課税価格の計算上、債務として控除することができます。また、死亡診断書は、火葬許可証をもらうために必要な書類ですので、その費用は相続税の課税価格の計算上、葬式費用として控除できます。 

税金の申告・納税(事業者以外の所得税)…その2

Q4 死亡後に受けた給与の取扱い

  私の夫は、10月1日に出張先でなくなりました。9月分給与と亡くなった日までの10月分給与を10月10日に受け取りました。死亡後に受け取った給与は、どのように課税されるのでしょうか?
  なお、給与の支給日は、毎月25日になっていました。                                                      @   9月分給与 60万円

                   A   10月分給与 20万円 

A

 9月分給与の60万円は所得税の対象に、10月分給与の20万円は相続税の 対象になります。死亡した人の給与等は、その支給期の到来時期により、次のように取扱われます。

 

  

 1 死亡時までに支給期が到来していたもの   

 死亡時までに支給期の到来していた給与(ご質問の8月分給与)については、所得税が源泉徴収され、死亡退職時に年末調整が行われます。したがって、準確定申告では給与所得として申告します。  

   

 死亡時までに支給期の到来していないもの  

 死亡後に支給期の到来する給与(ご質問の9月分給与)については、相続財産として相続税の対象となりますので、所得税は課税されません。したがって、準確定申告では給与所得として申告する必要はありません。

 

 死亡後3年経過後に確定したもの  

 死亡後3年経過後に支給の確定したものについては、その支給を受けた遺族の一時所得として所得税が課税されます。
  なお、前記1〜3の取り扱いは公的年金および退職手当等についても同様に取り扱われます。 

相続発生直後の諸届出…その2

Q2 死亡直後の市町村への諸届出

 死亡直後に市区町村に届出をするものは、死亡届の他にどのようなもの がありますか?

 A

お亡くなりになった場合には、まず市区町村に死亡届や火葬許可申請をしますが、 その他にも次のような届出や手続きが必要になります。手続きに必要な書類につい ては、市区町村の担当窓口までお問い合わせください。  

 

対象者 必要な手続き 期限
世帯主 住民票の世帯主変更届 14日以内
国民健康保険・後期高齢者医療保険に入っていた人 保険喪失届・保険証の返却 14日以内
葬祭費申請 2年以内
介護保険の保険証の交付を受けていた人 資格喪失届・保険証返却 14日以内
マル福医療証(心身障害者医療証)を持っていた人 資格喪失届・医療証返却 14日以内
マル乳医療証(小児医療証)を持っていた人 資格喪失届・医療証返却 14日以内
マル親医療証(ひとり親家庭等医療証)を持っていた人 資格喪失届・医療証返却 14日以内
特定疾患医療受給者証を持っていた人 受給者証返納届・受給者証返却 14日以内
被爆者健康手帳を持っていた人 手帳返却と関連手続き 14日以内
被爆者葬祭料申請 2年以内
国民年金を受けていた人 死亡届と関連手続き 14日以内
国民年金に加入していた人 年金資格喪失届と関連手続き 14日以内
身体障害者手帳を持っていた人 手帳返却と関連手続き すみやかに
障害者(児)関連手当を受けていた人 資格喪失届 すみやかに
児童手当を受けていた人 受給事由消滅届 すみやかに
精神障害者保健福祉手帳を持っていた人 手帳返却と関連手続き すみやかに
犬を飼っていた人 犬の登録変更届 すみやかに