人的対策…その2

5  派閥争い回避・内部関係者の整備    

 

 後継者候補が2人以上いる場合、後継者の選出にあたって相続人間でトラブルとなったり、会社内部で派閥争いとなったりと、事業承継を妨げる問題の発生が予想されます。このようなトラブルを解決する方法の1つとして会社分割制度の活用があります。ここでは建設不動産業を営む会社の事例を掲げます。

 

ひらめき事例  

  創業者が興した事業について、長男に建設部門、次男に不動産部門を承継させようと対策を実践してきました。しかし、事業承継対策実践途上、長男と次男の間で将来の会社の展望や従業員の処遇などで対立が発生してしまいました。対立が発生してしまいました。  

  このような場合の解決策としては、会社分割制度を利用するのも一法です。建設部門と不動産部門を、相互に資本関係を持たない独立した会社(会社分割)とした後に、それぞれの会社の株式を長男、次男に移転させる方法です。会社分割後は、お互いに相手側から干渉されることなく、自己の方針に基づいてそれぞれ自分の会社の経営に専念できることになります。 

  会社分割は長男、次男それぞれの経営理念・考え方に基づいて会社を発展させることは可能となりますが、当然のことながら経営者が築いた会社が2つに分割されることは避けられません。会社分割は従業員、取引先等をも巻き込む重要な問題です。会社分割の実行にあたっては、現経営者の意向を十分に相続人や従業員に理解させ、分割することのメリット・デメリットを考慮の上、慎重な判断を下すことが肝要と思われます。

分  割  前

  株主=長男+次男

     分割法人(建設・不動産)・不動産部門

 分  割  後
   株主→長男
         分割法人(新設)   
     →次男
                【分割承継法人(不動産)
     
     
※会社分割制度の適用にあたっては、税務上の一定要件を満たせば新会社へ資産を簿価(通常は時価となるため、時価が簿価より高額である場合、その差額に対して法人税等が課税される)で移転するこが可能となり、法人税等が繰り延べられます。税務上の取扱いは要件等複雑なため専門家と相談して慎重に取り組むことが重要です。