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愛知相続サポートセンター
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②遺言と死因贈与の違いは
Ⅰ 遺贈と死因贈与
遺贈
遺言によって財産を与える(無償供与する)ことを遺贈といいます。この場合、被相続人が生前に財産の処分の方法を自らの意思できめることができます。 遺贈には包括遺贈と特定遺贈の2種類があります。
包括遺贈は、財産を特定せずに財産の一定割合を指定して行います。この方法で遺贈を受ける包括受遺者は、相続人と同一の権利・義務を有し、遺産分割協議に参加することができます。 一方、特定遺贈は、遺産を具体的に特定して行う遺贈をいいます。
なお、遺贈は遺言者の一方的な意思表示であるため、受遺者は取消しや変更を自由にす ることができます。また、受遺者は遺贈の放棄をすることもできます。
死因贈与 |
死因贈与とは贈与者の死亡により、その契約の効力が生じる贈与契約をいいます。例えば、父親が生前、長男に対し「自分が死んだらこの財産をあげる」 と約束し、長男が承諾した場合などです。
死因贈与は民法上、遺贈に準じて取り扱われます。また、相続税法上も遺贈と同じ取扱いとなりますので、贈与税ではなく相続税が課税されます。
なお、贈与者が死因贈与契約締結後にその内容と異なる遺言を作成した場合には遺言が優先されますが、長年の間而倒をみることを条件に死後財産を贈与するといった負担付死因贈与契約の場合には、一方的に死因贈与を取り消すことができないという最高裁の判例も出ています。
Ⅱ 遺贈と死因贈与の相違点
遺贈と死因贈与では、メリット、デメリットがそれぞれありますが、両者の相違点をまとめると以下のとおりとなります。
遺 贈 | ●遺言者の一方的な意思表示だけで成立する。 ●遺言者の死亡後、いつでも放棄できる。 ●各相続人間で遺言とは違う遺産分割ができ、遺贈者の意思が反映されない場合がある。 |
死因贈与 | ●贈与者と受贈者双方の意思表示の合致により成立する契約である。 ●放棄できない。 ●確実に財産を移転できる。 |
上記のほかに、不動産を取得した際の名義変更に係る登録免許税や不動産取得税の取扱いも違います。不動産取得税の場合、土地や家屋の相続(包括遺贈および被相続人から相続人に対してなされた遺贈を含む)による取得は非課税ですが、死因贈与の場合は下表のとおり課税されます。
(不動産所得税の課税)
区 分 | 税 率 |
住 宅土 地 | H21.3.31まで 3% (原則4%) |
住宅以外の家屋 | H20.3.31まで3.5%(原則4%) |
宅地等については、国定資産税評価額の2分の1に税率適用 (H21.3.31まで延長) |
登録免許税についても、死因贈与の場合は固定資産税評価額の2.0%、相続の場合は 固定資産税評価額の0.4%課税されます。
Ⅲ 遺贈か死因贈与か
上記2の通り、死因贈与は自分の財産を確実に移転できるというメリットがあります。一方、遺贈の場合は各相続人間で遺言の内容と違う遺産分割ができるなど、必ずしも遺贈者の意思どおりに財産を移転できるとは限りません。
そこで、生前に遺産分割を完了させる目的で財産を確実に移転させるためには、死因贈与の方が有効と思われます。
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