10  小規模宅地評価減の有効活用 

 ①相続税対策としての評価特例の活用 

 相続税対策を行うに際しては、最初に現状認識として財産の把握および評価、税額試算や納税資金の検証等についての作業を行います。その作業過程の中でしばしば、所有資産が有効活用されていない例が見られます。 

 例えば、固定資産税負担の高い土地が更地であったり、地積が広く固定資産税の負担が高い土地が貸地であるなど、安易に前回の相続で不動産を共有相続したために今後の相続対策がスムーズに進まないケースがあります。 

 上記の例で固定資産税負担の高い更地については、事業用建物、賃貸用マンション等を建築することにより、ケースによっては一定の面積まで相続税評価額の50%または80%の評価減額が可能となり相続税対・策として有効です。 

 ②特例の内容 

 相続または遺贈によって取得した財産のうちに、被相続人等の事業の用もしくは居住の用に供されていた宅地等で建物や構築物の敷地に供されているもの、または国の事業の用に供されている宅地等で建物の敷地の用に供されているものがある場合には、相続人等が取得したこれらの宅地等のうち限度面種までの部分(小規模宅地という)について50%または80%の評価減額ができます。 

 主な例として次のものがあります。

被相続人の居住の用に供されていた宅地等で、 その宅地等を配偶者が取得するか被相続人と 同居していた相続人が相続税の申告期限まで に取得し、かつ、申告期限まで保有する場合。   相続人の住居用 

                            ↓

                     被相続人が保管

  上記用件を満たす場合、240までについて80%の減額

計 ●減額前宅地評価額     120,000,000円 面積300㎡

算 ●小規模宅地の評価減額  120,000,000円×240㎡/300㎡×

例                    80%=76,800,000円

  ●減額後の評価額  120,000,000円-76,800,000円=43,200,000円

被相続人が貸家を経営していて、その賃貸建 物の宅地等を相続人等が取得した場合。                             賃貸用建物 

                      ↓

                     被相続人が保有

  上記用件を満たす場合、200までについて50%の減額  

計 ●減額前宅地評価額    84,000,000円   面積380㎡

算 ●小規模宅地の評価減額  84,000,000円×200㎡/380㎡×

例                            50%=30,000,000円

  ●減額後の評価額  84,000,000円-30,000,000円=54,000,000円

被相続人が不動産賃貸業以外の事業(例えば ビジネスホテル経営)をしていて、その宅地 等を申告期限までに取得し、かつ、申告期 限までに事業を継承し、申告期限まで保有 する場合。                                    ホテル営業 

                       ↓

                     被相続人が保有

  上記用件を満たす場合、400までについて80%の減額 

計 ●減額前宅地評価額     200,000,000円 面積500㎡ 

算  ●小規模宅地の評価減額  200,000,000円×400㎡/500㎡

例                    80%=128,000,000円

  ●減額後の評価額  200,000,000円-128,000,000円=72,000,000円

 ③小規模宅地の特例適用にあたっての留意点 

 

 小規模宅地の特例を利用する場合には、いくつかの留意点があります。 

 主な留意点としては次のようなものがあります 

 ―「争族」により相続税申告期限までに分割されない場合には特例適用ができません。その場合にはとりあえず、「申告期限後3年以内の分割見込書」を税務署に提出する必要があります。この手続きにより3年以内に分割された場合には、小規模宅地評価減の特例適用が可能となります。 

 ―原則的には特例適用対象土地が複数ある場合には、評価減額前の宅地、1㎡あたりの単価に減額割合(80%もしくは50%)を乗じた額で最も高いものから適用することにより税効果が最大となります。 

 ―特例申請にあたっては添付資料が必要となります。 

 ―月極駐車場等については、フェンスやアスファルト敷などの構築物がないと特例適用ができないため、このような場合には、相続開始前に事前整備する必要があります。 

 ―小規模宅地の特例の態様は非常に多く、その適用および相続税対策においては専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。  

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