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愛知相続サポートセンター
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14 事業用建物を同族会社へ売却
①概 要
個人保有の不動産を同族会社に譲渡することにより、所得税、相続税の軽減を図るという方法があります。
②個人の所得、財産の分散
例えば賃貸不動産の場合、建物建築当初は減価償却費や銀行蝋借入に係る支払利息も高額であるため、不動産所得に係る必要経費も多額に計上できますが、減価償却や銀行借入の返済も終了に近づくと、必要経費と認められる項目も減少し不動産所得が増え結果的に所得税の負担が増加します。
そこで、個人と法人で所得を分散し個人の所得税を軽減させるため、土地・建物を同族会社に譲渡するという方法があります。
ただし、土地・建物を譲渡すると所得税の負担も過大になることから、建物のみを譲渡する方法もあります。この場合、無償返還に関する届出書を税務署長に提出するなど借地権の認定課税を受けないよう配慮することが重要です。
③相続税対策
不動産、特に含み益を抱えている不動産については、個人よりも法人が所有していた方が有利となる場合があります。
個人が所有している不動産については相続開始時の価格で評価します。一方、法人が所得している不動産についてはその法人の資産に含まれているため、結果的にその法人の株価として評価されることになりますが、取引相場のない法人の株価を評価する際に使用する純資産価額方式では、会社の資産を時価で評価するものの、時価と帳簿価額との差額(評価差額)の法人税額相当額(42%)については株価評価上控除することとなるため、その分財産の価額をおさえることができます。
また、土地を個人が所有し建物を同族会社が保有しているような場合、その土地につき相続の際に特定同族会社事業用宅地等として小規模宅地等の減額の規定を受けることができる可能性もあります。この場合、その土地につき地積400,2の範囲内で時価の100分の20で評価することができます。
ただし、個人が法人に対し使用貸借で土地を貸し付けていた場合には小規模宅地等の減額の規定の要件を満たしませんし、またその法人の事業が不動産貸付業である場合には、特定同族会社事業用宅地等の満たさないことになりますので注意が必要です。
なお、特定同族会社事業用宅地等の要件は以下のとおりです。
Ⅰ―その法人に被相続人が土地または家屋を相当の対価で継続的に貸し付けていたこと。
Ⅱ―その法人の相続開始直前における被相続人その他一定の者の持株割合が50%超であること(=特定同族会社)。
Ⅲ―その法人の事業が不動産貸付業等以外であること。
Ⅳ―その宅地を取得した被相続人の親族が、申告期限においてその法人の役員であること。
Ⅴ―その宅地を取得した被相続人の親族が$相続開始時から申告期限まで引き続きその土地を所有していること。
Ⅵ―その土地を申告期限まで引き続きその法人の事業の用に供していること。
このように特定同族会社事業用宅地等の要件は非常に厳しいものとなっていますので、この規定の適用を受けたい場合には事前の対策が必要となります。
特に貸付けの形態や法人の事業内容を要件としていることから、貸付け当初より検討する必要があります。
担当:柴田(しばた)
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